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マイニング・ビットコインマイニング管理(ソフト系)

マイニングリグ火災の危険性と対処法

マイニング・ビットコイン
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へたれちゃん
へたれちゃん

マイニングは火災が怖いよな

ラビ
ラビ

調子乗ってGPU足してると家ごと燃えるぞ

マイニングは発熱がすごい

マイニングが流行っていますね。結構な額が稼げてしまうので調子に乗ってグラフィックボードを何本も足してしましがち。まぁグラボ自体が手に入らなくなっているので私は3本で止まっていますが。

しかしながらこのマイニングというやつ、結構な電力量を消費します。筆者の所有しているRTX3090で250wくらい食っていますから、100vだと2.5Aです。

他にRTX3080が200W・5700XTが100wなので合計で4.5Aの電流を常時使用しているんですね。

ただこの3本のGPUでマイニングをしていると、部屋の温度がみるみる上昇していきます。とにかく熱い・・・っ
冬は暖房いらずとはいいますが、春先~夏場はたまったもんじゃないです。

火災の可能性もありますし・・・やはりリグの温度管理は重要です。

温度測定

火災の未然防止として具体的な対策としては、パソコン内の配線の温度を放射温度計で測定することです。

M/Bの電源コネクタ部。電線が集中するのと熱を持ちがちなコネクタ部を測定。
26℃なので大丈夫だろう。
GPUの補助電源コネクタ部。GPUの熱の影響を受けやすく、また大きな電流が流れる部分でもあるので要チェックだ。
電源タップのコンセント部及び電線の発熱がないか確認。
古いタップの場合、内部の電線が切れかかっていて抵抗が増加し、熱を発している事がある。
電源タップの温度上昇の有無も確認しておこう。

サーモ写真からみるパソコン各所の温度

今回、FLIR C3をお借りすることができたので、パソコン内部の温度状態をサーモ写真で確認してみよう。

まずは内部全体の写真だが、GPU周りの発熱が圧倒的だというのが分かる。

上のGPUがAMD RX5700XT、下がRTX3080だが、コア部分が白色になっており発熱していることが分かる。

GPU周りを更に近づいて確認する。

マザーボード周辺の確認。メモリスロットのGPUより部分がかなり熱くなっているのと、マザーボードへの電源供給コネクタ付け根部分が発熱しているのが分かる。

やはりコネクター部からの発火が多いというのも頷ける結果となった。

サーモ写真が撮影できると発熱部がかんたんに視覚化できるため、発火対策になる。
今回紹介したFLIR C3は10万円近くするなどかなり高額な商品ではあるが、マイニングで儲けた分の経費として節税対策に購入してみるのも良いだろう。

配線の見直し

うっかりやってしまいがちですが、このタイプの分岐できる配線はRTX3080・RTX3090といった大きな電流を使用するタイプのグラボではNG。
このように電源から直接ケーブルを引き、それぞれの補助電源コネクタに接続しましょう。
基本的なことなんですが、結構忘れてしまいがちなんですよね。

電線の盲点

筆者は正直言ってこの「連続して電気を使用し続ける」というのにかなり抵抗を感じています。

というのも一般的な家庭で使用している電線はVVF1.6mmですが、許容電流が15A程度です。これは家庭用の電源盤のブレーカーが15Aな事の理由の一つですね。

https://www.hashimoto-kosan.jp/denryu/vvf/

が。

上記の表はあくまで参考であって、これが壁の中のように放熱性が悪い場所だと、当然この許容電流は低くなっていくんです。電線は熱を持てば持つほど抵抗が増えていくので、放熱性の悪い地中電線や配管内の電線は熱を持ちやすく、燃えやすいというわけです。

上の表を見てもらえばわかると思いますが、同じ電線サイズでも気中と管内とでは、流せる電流値に違いが出てくるんです。住宅の場合、壁の中に通しているような部分が管内と同じように熱を持ちやすく、燃えやすいというわけですね。

なのでブレーカーが15Aであったとしてもそれはあくまでドライヤーのように短時間使用を想定した電流値であって、マイニングのように長時間大電流を流し続ける事は想定していないんです。

「15Aのブレーカーが付いてるから15A流し続けてもいいんだ」なんて絶対思っちゃいけません。

ブレーカーの盲点

「でもいざとなればブレーカーが落ちるから大丈夫じゃん」って思うでしょ?

そう簡単な話じゃないんですね。

ブレーカーが落ちる際は、瞬時特性や限時特性といった特性をよく理解する必要があります。が、難しいことをここで語っても仕方ないので要点をかいつまんで書きます。

上の表から、30A以下の家庭向きのブレーカーの場合、

定格電流(ここでは15A)の125%の電流が流れた時は60分以内にブレーカが落ちます。
定格電流の200%以上の電流が流れたときは2分以内にブレーカーが落ちます。

なので15Aのブレーカーが付いている電線回路に15(A)*1.25=18.75(A)の電流を60分流し続けるとブレーカーは飛ぶんです。

が。

ここで盲点があります。それは「ブレーカーの経年劣化」ですね。

筆者は築40年といった古い工場で電気の保全屋として仕事をしていましたが、30年を超えるような古いブレーカーは「継続的に大電流が流れても正常に遮断しない」というケースが普通にありました。

そう、古いブレーカーは壊れていることが多いんです。短絡のように電線同士がくっついてショートした場合のように大電流が流れた場合は動作するけど、微妙に大きい電流が流れ続けるという状態の場合、これが動作しないというケースは普通にありました。

残念なことにこの故障を見極めるのはかなり難しいです。だって継続的に1.25倍の電流を、正確に、一時間も流し続けるような試験装置は家庭にはないでしょ?4年に一度の義務点検でもそこまでは見ていないと思います。

なので、「やばくなったらブレーカーが落ちるでしょ」なんて考えないことです。

パソコン内の焼損対策

工場などの制御盤が火災で燃えた、という話はまま聞きます。大抵の場合、電線と電線とを結ぶ部分の圧着が甘かったり、ネジが緩んでいたりして発熱が起きて、その電線の被覆が熱に耐えられず燃え上がるというケースですね。

なんでネジが緩んでいると燃え上がるのか。それは「電線と電線との間の抵抗が大きくなる」からです。発熱はP=I^2・Rで表されます。電流の二条(A)かける抵抗(Ω)ですね。

当然大電流を流せば一気に発熱しますが、電線と電線との抵抗が増えれば発熱量も増えるわけです。電線同士がしっかりとくっついていれば抵抗は低いですが、電線が微妙にくっついているような中途半端な状態だと抵抗が上昇してしまいます。

また、抵抗RはR=ρ*(L/A)の法則があります。

ρ:抵抗率 L:電線の長さ(m) A:断面積(m2)

で、電線の断面積が小さくなればなるほど、抵抗が増える計算になります。
なので細い電線を使えば使うほど電線の抵抗が増えて、熱を持ちやすくなります。また、電線が切れかかっているような状態も細い電線を使っているのと同じ状態なので、熱を持ちやすくなり、限界に至ると発火するというわけですね。

おわりに

ビットコインの価格が上昇しているので、マイニングは儲かります。

が、もしも火災を起こしてしまったら、パソコンどころか自室・自宅、はてはあなたや家族の命が危険にさらされる上に、周辺住民にも大きな迷惑をかけることになります。

欲に目がくらみ電気の知識もないまま「多分大丈夫だろう」と調子にのってGPUを増やし電力を消費すると、思っても見なかったような重大トラブルを引き起こす可能性があります。

これを未然に防ぐ意味でも、放射温度計でのパソコン内の配線温度チェックは定期的に行いましょう。

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